花組「アウグストゥス/Cool Beast!!」@宝塚大劇場
ドラマ・ヒストリ
『アウグストゥス-尊厳ある者-』
作・演出/田渕 大輔
ローマ史上初の皇帝となり、「尊厳者」を意味する“アウグストゥス”の称号を贈られたオクタヴィアヌス帝。彼はいかにして、志半ばで死したカエサルの後継者となったのか?
カエサルの腹心・アントニウスや、ブルートゥスらとの対立の果てに、「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」の境地に至った若き英雄の姿を、フィクションと史実とを織り交ぜて描く。
紀元前46年。政敵ポンペイウスを討ち、ローマに帰還したカエサルの凱旋式当夜。ユリウス家の邸では、カエサルと敵対していた貴族たちとの和解の宴が催される。そこに現れた招かれざる客…それは、今は亡きポンペイウスの娘・ポンペイア。彼女は無謀にもカエサルに斬りかかり、父の仇を討とうとするが、ユリウス家の末裔であるカエサルの大甥・オクタヴィウスがそれを阻止する。オクタヴィウスは、ポンペイアを赦す事こそ真の和解の印だとカエサルに訴え、彼女を助けようとするのだが…
パッショネイト・ファンタジー
『Cool Beast!!』
作・演出/藤井 大介
野性的な色気を持った柚香光は、まさにCool Beast!!
柚香光が「Beast=野獣」に、華優希が「艶花」に扮し、美しく心優しいBeastが見た夢を、ストーリー仕立てで綴る魅惑の世界。
個性豊かな花組生達がお届けする、パッショネイトで刺激的なラテン・ショーをお楽しみください。
宝塚大劇場 2021年4月3日15:30公演、4月10日15:30公演
華ちゃん(華優希さん)退団公演、観劇しました。
まずはお芝居「アウグストゥス-尊厳ある者-」。ネタバレしますよ!!
これかなり評価が分かれている気がしますが、私は好きです!
とは言いつつ、どこがどう良いのか表現できない(笑) 世界史の知識を取り戻さないまま2回観劇しちゃったので、自分が話を理解しているのかも正直自信がなくて…だめなファンです。でも初見で感動しちゃって。
異ルネがあまりにもnot for meだったので、全然期待してなかったんですけどね。田渕先生…!
私、邪馬台国の風って見たことないんですけど(キキちゃんファンの端くれとしては見るべきでしょうか…笑)、「風が吹いた」とか結構揶揄されてますよね(笑)
私は良作だと思いました。でも、あまりにれい華の今の状況に当て書きされていて、これはれい華ファンの方はしんどいだろうな。
まず、オクタヴィウスの描かれ方が好きです。臆病で、できるだけ戦いたくない、憎しみを持ちたくない、というのは、非常に今の時代に合った主人公像じゃないかと思います。
中の人とあまり重ねて見てはいけないかもしれないですが、れいちゃんってきっとすごく優しい人なんだろうな、とも感じました。
力で凌駕するのではなく、人に寄り添って自分も強くなっていく主人公がぴったりでした。
華ちゃんのポンペイア。
まさかの、死んでしまっていた、という設定にはびっくり!初見時は声が出そうに(笑)
接点は少ないはずなのに、オクタヴィウスとの深い絆が明確に打ち出されていたので(少なくとも私はそう思った)、オクタヴィウスの心象風景として出てきていたのだと言われても違和感はなかったな。
華ちゃんのことを深く知らないけど、聡明な人なんだろうと私は勝手に思ってました。そんな華ちゃんにこちらのお役はぴったりだったんじゃないかと。
ポンペイアがいたからこそ、オクタヴィウスはパクスロマーナを築き上げることができたのね。
その他のキャストについても書きたいのだけれど、この作品は、トップコンビが私の中で圧倒的でしたね…。
その中でも印象に残ったのは、マイティー(水美舞斗さん)、おとくりちゃん(音くり寿
さん)、ほのかちゃん(聖乃あすかさん)。
マイティーのお役は、れいちゃんと同期だからこそ、ですね。銀橋ソロが取って付けたような感じでしたけど…。
音くりちゃんは、もう安心安定です。銀橋ソロが素晴らしい。オクタヴィウスが優しい嘘をつくじゃないですか。たぶんオクタヴィアは、弟が嘘をついていることに気づいていたと思うんです。それでも微笑む姿が、なんとも切ない。オクタヴィア、強く生きて、そして幸せになってね。
ほのかちゃんはね、かっこいいんですよ単純に(笑) マイティーとのコンビがかわいい。
しかしね、オクタヴィウスのセリフが物足りなくない??
カエサルが独裁官になったことに、オクタヴィウスは違和感を覚えてますよね。でもそれをセリフで言ってほしかったなあ…。そこから(きっと穏やかに生きてきたのであろう)オクタヴィウスの心の中のいろんな歯車が動き出すのだと思うので、そこはもう少し分かりやすい方がいいかな。
そしてショー「Cool Beast!!」。
大介先生の作品は結構好きなんだけど、これはちょっと違ったかな。
なんか盛り上がりに欠けません?
でも花組の男役はかっこいいですね!!まどかちゃん組替えに備えて勉強してるんです。
私が今気になってるのは、ひとこちゃん(永久輝せあさん)、ほのかちゃん、らいとくん(希波らいとさん)!!ばりばりの路線ばっかり(笑)
ひとこちゃんはね、とりあえずお顔が好きなんです。目が涼やかで。
私は男役の赤リップがむちゃくちゃ好きで、最高にテンションが上がるんだけど、ひとこちゃんの赤リップはもう「大正解」です!!ひとこちゃんの何がそうさせるんだか今分析(?)しようとしてるんですが、とにかく美しいです。
まどかちゃんと並んでみてほしい…!
ほのかちゃんはとっても綺麗なお顔をされてるじゃないですか。はいからさんでは蘭丸だし、タカスぺでは虞美人(ですよね?)をやってたし。
でも男役を謳歌してます!と言わんばかりに楽しそうに踊ってて、あーなんか好きだわ…となりました。
らいとくんはね、そのスタイルだよね、まず。そしてかわいい。どんな声をされてるのかしら。
娘役さんはやはり美羽愛ちゃんと星空美咲ちゃんが目立ちます。
美咲ちゃん、少し緊張してるのかなあ。美羽愛ちゃんは舞台を楽しめている気がします。表情豊かで可愛い!
でも美咲ちゃん、まだ105期ですもんね!これからが楽しみです。初舞台が宙組ですし、若干境遇の似ているまどかちゃんからいろいろ学ぶこともあるかな、と…ということで、ぜひ全ツ組でお願いします(笑)
もちろん真ん中のれいちゃん、華ちゃんもよかったです!
れいちゃんの身体能力と表現力はすごいし、華のある人だなあ。
プロローグと、あとご本人も念願だったという裸足で踊る場面。よかった…!
特に裸足で踊る場面は、音楽と美穂さんの歌声も相まって、刹那的な、野獣と花の切ない恋の幕開けを感じさせて、胸がきゅっとなる。
あとマイティーとお肉を取り合う(?)シーンが好き(笑)
華ちゃんは本当に愛らしい人だなあ。
正直なところ、トップは歌かダンスかに強みがあるべきだと思っていて…そんなに長い任期は最初から難しかっただろうな、と。
でもどんな衣装を着ても、何をしても可憐な娘役さんです。ナイワも配信で見たけれど、まさに「これから」というときだったと思います。退団は寂しいです。長い任期ではないだろうと思っていたものの、退団やめませんか…。
ダンスオリンピアのときも感じたけれど、堂々とした表情なのがスター感、ヒロイン感があって良いですよね。
で、最初にも書いた通り、ショー自体にはあまりわくわくできてないの。好きなシーンはあるんだけどね。
それはショーそのものにも原因があるけど、まどかちゃんプレお披露目の演目でもあるから、なんだよ~。
2回目の観劇のときなんて、ミュサロ後すぐだったからか、プロローグで華ちゃんを見た瞬間からまどかちゃんのお顔が浮かんでしまって。「このお衣装着てるまどかちゃん、想像できるなあ」とか考えてしまったんです…。もうほんと、華ちゃんに申し訳なくて。
でもその後も、このシーンは差し替えそうだな、とか考えてしまうダメなやつ…全方位に申し訳ないです。
退団作が次のトップのプレお披露目に使われるなんてよくあることだと理解してますが、やっぱり今回はいろいろイレギュラーなのでね。別の演目の方が平和な気持ちでいられました。せめて、Dream Chaserのようにサブタイトルをつけるとかさ…。
花組の感想から離れてしまうけど…宙組スヴィッツラも開幕して、いろいろレポが上がってて、私は個人的にすごく複雑なんです。
それもあって、2回目の観劇はちゃんと集中できなかった、というのが正直な気持ち。
私がまどかちゃんを好きになったのは、もう宙組トップ娘役になって本公演2作目の頃でした。
だからね、まどかちゃんが宙組のトップ娘役であり、真風さんの相手役であるということは当たり前だったし、変わることはないと思ってた。というかだいたいそう思いますよね?(笑)
とは言いつつ…スライドもありえないことはないだろう、とはずっと思ってたんです。なんとなく。
組替えして新たに花開く魅力もあるだろうし、全然あり!とも思ってました。
でも、真風さんの横に違う娘役さんが立つ日が来るとは思ってなかった。スライドするにしても、真風さんを見送ってからだろうと思い込んでいた。
そして私は、宙組自体を好きになりすぎてしまった。
潤花ちゃんが嫌とかじゃなくて(可愛くて宙組にも、そして真風さんにもよく合う娘役さんだと思ってます)、大好きな宙組にまどかちゃんがいないことが信じられなくて、受け止めきれない。
これはきっと、 時が解決してくれるのでしょう。
とにかく今は、華ちゃんを温かい気持ちで見送りたいです。